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概説

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心血管病理学会、欧州心血管病理学会の心内膜心筋生検チュートリアルサイトへようこそ。本サイトは心移植後の急性細胞性拒絶反応の際に認められる組織学的所見について解説しています。病理医が心筋生検標本の組織所見を理解し、正しく解釈できるよう教育することが主たる目的です。

本チュートリアルは、計7個のセクションにより構成されており、心内膜心筋生検のあらゆる側面を網羅しています。画面左側の項目をクリックすると、目的のページへ移動します。また、画像はクリックすることにより、すべて拡大あるいは縮小が可能です。実際の症例に関するクイズもバーチャルスライドを用いて用意されており、急性拒絶反応を他の病理所見と混同せず正確に診断できるかどうか自己評価が可能です。

本サイトは文書の起草とその後の編集という2段階のプロセスを経て作成されています。当サイトに掲載されている内容に関しては、作成委員(メンバーはこちらで参照可能)が全責任を負います。また、抗体関連拒絶反応(antibody-mediated rejection; AMR)に関するチュートリアルサイトは現在作成中であり、その詳細についてはここでは取り扱いません。

心内膜心筋生検

心内膜心筋生検法は、心筋組織を採取するために確立された手技である。通常局所麻酔下に右内頸静脈から生検鉗子を挿入し、三尖弁を通過させ、右心室に到達させる。検体は原則として透視下で心室中隔にて採取される(エコー下で行われる場合もあるが、一般的ではない)。

心筋生検の最も一般的かつ確立された適応は、心臓移植後の拒絶反応(急性細胞性拒絶およびAMR)の診断である。現時点で心筋生検は拒絶反応を確実に診断する唯一の方法であり、移植後数ヶ月間は特に頻回に施行されるが、その後は各移植施設のプロトコールに基づき施行回数は漸減される。

Bioptome bioptome in heart gross specimens

生検標本の作製方法

 

採取すべき検体数: 国際心肺移植学会(International Society for Heart and Lung Transplantation; ISHLT)は、拒絶反応を適切に評価するために、右室から最低3個の検体を採取するよう推奨しているが、5個採取することにより診断感度がより向上するとの報告もある。採取された検体は別個に収集し、サンプル数を増やす目的で標本に割を入れてはならない。

標本の取り扱い方法: 生検鉗子から取り出した採取検体は、等張食塩水に浸したガーゼの上へ置き、採取後にはできるだけ触れないようにする。ピンセットでの操作も避けるべきである。

組織の処理方法: 移植後の拒絶反応を評価する場合、生検検体は直ちに10%中性緩衝ホルマリンで保存した後、施設のプロトコールに応じてパラフィンに包埋し、薄切した後、染色を行う。AMRの検索のため、施設によっては蛍光抗体法を補助的に行う場合もある。もし蛍光抗体法を行う予定であれば、検体の一つを凍結保存しておく必要がある。

スライドの作成方法: 多くの施設では、3-5μmに薄切された最低3切片のサンプル(ヘマトキシリン・エオジン染色)を載せたスライドを3-4枚作製するが、最大8切片を載せたスライドを作成する施設もある。重要な点は、拒絶反応を適切に評価するためには、最低10切片を観察する必要があるということである。

補助的検査: AMRを検索するため、ヘマトキシリン・エオジン染色に加えてC4dの蛍光抗体法あるいは免疫組織化学法がしばしば補助的に施行される。CD68(組織球マーカー)あるいはC3dを、AMRの検索手段の一部としてルーチンに用いている施設もある。尚、AMRは別のチュートリアルで取り扱う予定である。

検体の評価

Adequate Specimen

標本に適切な検体として、少なくとも心筋を50%含む組織が最低3個必要である。十分な組織が観察されなかった場合、適切な検体が採取されているか、まずブロックを見直すことが非常に重要である。心移植後の症例は、拒絶の検索のため生検を何度も施行されている場合が多いが、生検鉗子はその構造的な理由により、心室内の同じ領域で繰り返しサンプリングしてしまう傾向にある。このため、線維化や脂肪浸潤などを伴った標本が採取されることがしばしばあり、以前にサンプリングされた部位の肉芽組織や瘢痕組織が観察されることも非常に多い。心筋生検に多くの経験を持つ循環器内科医は、採取検体の色や質感により、心筋を血栓や瘢痕組織と区別することが可能である。

生検標本が不十分な場合どうすべきか:

1.急性細胞性拒絶反応またはAMRが認められた場合には、検体の数に関わらず拒絶反応と評価し、記載するべきである。

2.採取検体が適切な標本としての基準を満たしておらず、かつ拒絶反応が認められない場合、サンプル不足であること、また結果が偽陰性である可能性について記載することができる。

検査結果の報告

report template

治療担当者(通常は循環器内科医)へ効率的に適切な情報を伝えるため、病理報告書は簡潔明瞭に記載し、標準化しなければならない。診断名には拒絶の有無に加え、全体の標本数とその中で拒絶が認められた標本数、Quilty効果の有無、感染症や虚血を示唆する所見が存在したかについても記載することができる。

病理報告書のテンプレートの例はこちら

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